【郷に入っては郷に従え】知っておきたいマナーとルール

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マレーシアは東南アジアで2番目に治安のいい国です。
しかし、日本とは全く異なった文化をしています。

郷に入っては郷に従え。

双方が嫌な気持ちにならないためにも、相手の文化や習慣を尊重して、配慮をすべきだと思います。
知ることで理解が深まることもあります。
そしてなにより、それが自分の身を守ることにも繋がります。

私は1年間、現地の学校で日本文化を広める活動をしていました。
その時に気を付けていたマレーシア(イスラム教)のルールとマナーについてまとめました。

イスラム教とは

マレーシアに住む人の多くはイスラム教徒です。

「イスラム教」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか。

過激派?不浄の手?豚を食べてはいけない?
子どものころに社会科で習ったけれど、他の宗教と混在してしまっていることも多いのではないでしょうか。

イスラム教はムハンマドが創始者で、アッラーを信仰しています。

教えは聖典「コーラン」に基づいています。
コーランには宗教の教えに始まり個人の生活の範囲に至るまで細かに規定がなされています。
厳格な規律に基づいて生活をしていますが、彼らにとってはそれが「普通」です。

ニュースで取り上げられるのは過激派のことが多いのでこわいイメージがあるかもしれませんが、実際過激派はイスラム教の中でもほんの一握りです。決して危険な人種ではありません。

お祈りは一日に5回。
創始者ムハンマドの生まれ故郷メッカに向かって、決まった時間にお祈りをします。
お祈りに関することも、今後ご紹介できたらと思います。

日常生活での注意点

左手は使わない(右手が優先)

マレーシアではトイレットペーパーがないことが多々あります。

用を足した後どうするかというと、ホースや桶に水がためられているのでそれを使って左手で洗います。アナログなウォシュレットとでもいうとわかりやすいでしょうか。

こういう背景があるので、左手は不浄と考えられており、食事をするときなどは右手を使ってたべます。人にものを手渡すときも右手です。

右手がふさがっていて、どうしても左手で物を渡すときは「左手でごめんなさい」と一言付け加えている場面も見受けられました。

肌を見せない

女性に限ったことですが、ムスリムの女性は肌を見せることを禁止されています。
マレーシアは一年を通して温暖な気候ですが、長袖長ズボンまたはロングスカートを纏い、頭も髪がでないようにヒジャヴで覆います。

ムスリムでない人に強要されることはありませんが、過度に肌が見える服装は控えるのが賢明です。

これはマレーシアに限ったことではなく、世界中どこでも同じことだと思いますが、性的な被害に遭わないためにも守るべきです。

異性と二人きりになるのは避ける

近親者でない男女が密室で二人きりになることも禁じられています。

部屋に修理屋さんが来た時や、教室で男子生徒と二人きりになってしまう時は、ドアを開けっぱなしにしておく配慮が必要です。

異性との接触を避ける

近親者でない男女の肌の接触も禁じられています。
男女で握手やハグはしません。

私はムスリムではありませんが、実際に不注意で手がぶつかってしまった時にはこちらが大変申し訳ない気持ちになるほど、相手から謝られました。
また、日本の文化紹介としてカルタを行った時も男女別に行う配慮が必要でした。
人数の関係上、男女混合で行ったときは、女子生徒はハンカチを使ったり袖を手まで引っ張ったりして、肌と肌が直接触れないようにしていました。

小さい子どもへの接し方

可愛い子どもに対して、つい頭をなでがちですが撫でてはいけません。

「子どもの成長を妨げる」「頭は神聖な場所」などの考えがあるからです。

また、上記で「異性との接触はNG」と書きましたが幼い子どもなら異性でも手を繋いでも問題ないようです。ただ、念のため保護者に確認をとることは必要です。

断食(ラマダン)

ラマダンが始まると日の出から日没までは、食事も水も摂りません。
ラマダンは、自己犠牲をとおして貧しい人の気持ちを理解するために行われています。

期間は約1カ月で、年によって異なります。

ラマダン期間中はお店がやっていないこともある(日没後には食事をするので屋台が賑わいます。)ので、旅行を予定しているときは注意が必要です。

現地にいるときは一緒にラマダンを行う必要はありませんが、「ムスリムの前では食事をしない」「水を飲まない」などの配慮を心掛けた方がいいでしょう。

豚NG

豚は「不浄の動物」とされているのでタブーです。
豚肉を食べることはもちろん、豚のエキスや脂を使用したものも禁止です。

さらに、豚毛のブラシなどの使用も禁止されています。とにかく豚はタブー。

豚肉を切った包丁やまな板は使わない、など徹底して豚を避けています。

犬NG

あまり知られていませんが、豚と同様に犬も「不浄な動物」とされています。

狂犬病をはじめとする病気をもっていたことが嫌厭されるひとつの理由です。
今でもマレーシアでは狂犬病で無くなる人がいます。野良犬には近づかないことが賢明です。

ただし世界では犬がペットとして飼われているということは知っているし、そういう犬たちを可愛いとも思うようです。
こちらが犬を飼っているからといって嫌な顔をされることはありません。

アルコールNG

イスラム教ではアルコール禁止です。

飲むことがよくないとされています。
たしかに、酔うと怒りっぽくなったり性格が変わってしまったりする人もいます。

細かいですが、みりんなどアルコールを含んだ調味料の使用もいけません。

マレーシアではムスリム以外が飲むことは禁じられていませんが、アルコールを買える場所はあまりありません。
日本では当たり前にコンビニで買えますが、マレーシアでは売っていないこともしばしば。
やっと見つけて買おうとしたら、袋詰めの際にレジの店員さん(ムスリム)がビニール手袋をはめたこともありました。
触りたくないものを触らせてしまったかな、と申し訳ない気持ちに。

指をさす

些細なことですが、人差し指で指し示すことも控えた方がいいです。
指さしの際は、じゃんけんのグー状態(指スマ状態)の伸ばした親指を使います。

物を買う時など、言葉が通じないと指で指し示すことが多いと思います。
とっさに人差し指を使いそうになりますが、親指を使いましょう。

タヌメモ

いかがでしたでしょうか。

日本とは大きく異なることがあり「大変そう」などと思うかもしれません。

でも絶対に気を付けなければいけないのは「アルコール」「豚」「異性」の3つです。
他のことはうっかり間違えてしまったからといって猛烈な批判に遭うことはありません。
良くも悪くも外国人(ムスリムではない)という扱いです。

細かいところは滞在の短い旅行では目の当たりにすることは少ないかもしれません。

とはいえ逆の立場に置き換えて考えてみても、「マナーのある外国人」と「マナーのない外国人」どちらを受け入れたいと思うか考えてみたら「マナーのある外国人」ですよね。

繰り返しになりますが、お互いが気持ちよく過ごすにもマナーとルールは守りましょう。
相手を理解して尊重しあうことで、広がるものもあるかもしれません。

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