合格率約20%の日本語教育能力検定試験。
半年で日本語教師養成講座を終了、
日本語教育能力検定試験を一発合格したタヌキが勉強方法をお教えします。
日本語教師とは
日本語教育という職業をご存知でしょうか。
一言で言うと、日本語を母語としない人たちに日本語を教える仕事です。
外国人に教えることを想像しがちですが、現実には日本語を教える相手は外国人のみに限られません。海外で暮らす日本人の子どもに教えることや、帰国子女に教えることもあります。
働く場所も国内外問わず。
日本国内では日本語学校で留学生に教えたり、企業に勤める外国人に教えたりする場合もあります。
また地域のボランティアとして活躍している方もいらっしゃいます。
海外でも同様に、民間の日本語学校や日本語専攻がある学校の教師として働く場合、ボランティアとして教える場合などがあります。
女性が多いようですが、両若男女世界中で働くことのできる魅力的な仕事です。
日本語教育能力検定試験
日本語教師になるために、絶対に必要な資格や免許はありません。
ただし、日本語を教えるには専門的な言語知識をはじめ、社会学、心理学、教育学などの知識も必要なため、実際の求人では下記の条件が提示されることが多いです。
・日本語教育能力検定試験の合格
・大学での日本語教育専攻の修了
・教育機関での420時間の日本語教師養成講座終了
日本語教育能力検定試験とは
日本語教育能力検定試験とは、
日本語教育を行う専門家として基礎的水準に達しているかを検定する試験です。
国家試験や公的試験はなく民間資格ですが、日本語教育業界では重要視されています。
試験は年に1度、
全国7都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)にて10月に開催。
内容が多岐にわたるため試験時間も長く、
お昼休憩をはさんで9:00~16:40で行われます。
合格発表は12月。
合格点は設けられておらず、毎年成績上位20%くらいの人たちが合格となります。
勉強方法
さて、ここからは私の半年間の流れを具体的に記していきます。
当時は会社員でしたが、短期間での講座修了と試験合格を目指していたので会社を辞め、最短の6カ月コースで日本語教師養成講座を受講しました。
私が使用した教材は3点、養成講座、赤本、過去問です。
1月 退職 / 日本語講座養成講座の受講開始
徹底したことは、養成講座を受講したその日のうちに復習をすること。
一晩眠ると人間の頭はかなりの部分をリセットしてしまうものです。
講義中もノートを取りますが、帰宅後にすぐ再び別のノートにまとめることによりしっかり記憶されます。
わからない部分があれば次の講義に講師に質問ができるように準備もできます。
人によって勉強方法は異なりますが、
私は視覚優位だったためにノートに自分で書いてまとめる方法がとても有効でした。
~6月 養成講座週と試験勉強
試験勉強は遅くとも3カ月前からは備えていないと合格が厳しくなると言われています。
週3で養成講座を受講し、週2程度で試験勉強を開始しました
この時点で試験勉強として使用したのは「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」通称、赤本です。
試験勉強にはこれ一冊で十分です。購入の際には必ず最新版を。
こちらも読みながらノートにまとめていました。
赤本には、苦手なところに付箋を貼り、理解出来たらどんどん付箋を外していくようにしました。
また、正直言ってしまうと養成講座の講師の質はまちまちです。
私が通っていた養成講座は振替可能だったので、構わず受講したい先生の曜日に振り替えました。
せっかく安くないお金を払っているのです。意味のない数時間をすごしてなんとなく修了するのは、あまりにも勿体ないです。
~9月 実習と試験勉強
試験勉強に集中したい3カ月間から養成講座の集大成、実習が始まりました。
このとき慕っていた講師からは
試験に挑むなら、「同時進行するのは2つまで」と言われました。
例えば、仕事と実習と試験勉強の3つを抱えながら試験合格を目指すのはかなり大変ということです。もちろん、掛け持ちしつつ合格された方もいらっしゃると思いますがかなり努力されているはず。
この場合、可能であれば養成講座を休学し、仕事と試験勉強に励むのが良いと思われます。
私はすでに退職していたので、
実習と試験勉強に専念することができました。
10月 受験
試験1カ月前には実習も終わり、日本語教師養成講座を無事に終了しました。あとは試験合格のために全力投球するのみです。
ここからは赤本に加え、過去問をひたすら解きました。
過去問は最低でも3年分の試験を、練習に解きます。
さらになかなか覚えられない箇所は自分でプリントを作り、自室やトイレの壁に貼り付けました。家は異様な空間になっていましたが、いつでも目に入るようにしました。
試験当日のワンポイントアドバイス
あとは今までの成果をぶつけるだけです。
時計選びは慎重に
当日は余裕を持って行動し、時計を忘れないように!
時間配分は非常に重要です。それにもかかわらず、時計の無い試験解除もあります。ただし、Appleウォッチなどのスマートウォッチや音がでるものはカンニング防止の為禁止される可能性があるので、シンプルな時計をお勧めします。
時間が分からず時間配分ができない受験は命取りです。
環境を整える
試験は10月です。
まだそれほど寒くはないと思いますが、心配な方はブランケット等を持っていきましょう。
また、試験は長時間に及ぶので椅子に置くクッションあっても良いです。受験環境はできるだけ快適に整えましょう。
お昼休憩の過ごし方
試験はお昼休憩を挟みます。その時間も貴重な勉強時間です。
お昼はお弁当を持っていくなり、試験会場に到着する前に買うなり、とにかく前もって準備しましょう。
養成講座でのお友達に会うこともありますが、ここは仲良く一緒にお昼ご飯を食べる時間ではありません。
少しでも知識を詰めることを優先します。
お手洗いの確認
最後になりますが、
まず試験会場についたら一番近い手洗いの場所を確認する事。
とくに女性は並びます。
並ぶことを覚悟で、お手洗いの際にも赤本やノートを持って勉強できる態勢でいきましょう。並んでいる時間さえ無駄にしないように。
最後に
私は思い切って仕事をやめたため、
日本語教育だけに集中できる1年を過ごしました。
しかし養成講座では、私のような境遇の人は少なかったように思います。主婦をはじめ、学生や社会人もいました。
日本語教育能力検定試験の合格率も20%ですが、決して難しすぎる試験ではありません。しっかり理解して備えれば受かります。
試験勉強に使う教材は赤本と過去問で十分です。
12月の合格通知、残念ながら不合格だと小さな封筒、合格だと合格証書が入っているので大きな封筒で届きます。
これから受験を控えている皆さん、大きな封筒が送られてくるよう頑張ってください!
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