あなたの膣まわりは、潤ってますか?
聞かれたこともない。
そもそも考えたこともない。
若干戸惑ってしまう質問をまず初めにぶつけてくる植物療法士の森田敦子さんが書かれた「潤うからだ」。
顔には顔用の洗顔石鹸や化粧水、体にはボディソープ、髪には髪用のシャンプーやトリートメント、など体の部分部分に適したケアをしているのに、どうして膣まわりにはなにもしていないのか。
日本では性や性器についての話題は口にしにくい風潮がありますが、この本に書かれていることは全ての女性に必要な知識で、恥ずかしいことなどではなく、ましてや下ネタなどでは全くない、人生をも変えてしまうかもしれない重要なことが述べられています。
膣まわりのこと
まずは膣まわりの知識について。
どのような働きをしているのか。どんな構造をしているのか。
実際に自分の膣まわりをみたことがある人はどれくらいいくのでしょう。
自分のからだの一部なのに、一度も見たことがなくて知らないというのはどこか不思議です。これをいい機会に、一度自分できちんと観察することをすすめられます。
膣のたるみは、頬のたるみと同じと著者は言います。
顔のケアをしないと皺やたるみができるのと同様に、膣まわりもきちんとケアしないと乾燥し、弾力を失うそうです。
フランスをはじめとするヨーロッパでは古くから「粘液力の低下=免疫力の低下」という認識があります。たとえば、目にゴミが入った時にそれを流してくれる「涙」やウイルスの侵入を防ぐ「唾液」「鼻水」などが粘液で、膣からも分泌されています。
きちんとケアをしないと膣まわりの粘液力が下がり、感染症にかかりやすくなるばかりではなく、冷え性になりやすかったり、生理痛がひどくなったり、肌や髪にハリがなくなったりと、女性のからだに色々な問題を引き起こします。
粘膜の乾燥で、老化が一気に加速するということが理解できます。。
性のこと
性欲は食欲や睡眠欲と同じ人間にもともと備わっている「本能」であり、それらを満たすことは高級バッグや仕事の成功では得られない幸福感を得られることだと著者は言います。
フランス人はどんなに忙しくても夏に一ヶ月ほどのバカンス(長期休暇)をとります。
フランス人女性の多くは、パートナーと特別な時間を過ごすのが旅の最大の目的で、疲れたからだと心を充電する、生きていくために必要な「栄養」みたいなものだとか。
ハグをしたり、髪をなでられたり、やさしく触れられて得られる快感は、体内の免疫細胞を活性化することが科学的に証明されているそうです。免疫力の高まりは、粘液力の高まり。
粘液力が高まれば快感力も高まり、また免疫力が高まという良いサイクルが生まれます。
ケアのこと
膣まわりの重要と、ケアの必要性は理解したものの、いざどうやってケアしたらいいのかはわからないもの。
学校でも教えてはくれませんでした。
3章では、ケアの具体的な方法を紹介しています。
1, 洗浄
2, 保湿
3, オイルマッサージ
4, トレーニング
忙しい毎日でも、お風呂に入るときなど、一日一分は自分の膣と向き合う時間を。
ケアのほかにも、お尻の拭き方の見直しも提言されています。
他にも保湿アイテムの選び方、オイルマッサージの方法、トレーニングの方法などが記されています。
介護と未来のこと
生活の便利さが進歩し生活が快適になる一方で、現代人は骨盤底筋があまり使われないがゆえに、尿漏れや子宮脱などの病気に悩む人が増えているそうです。
現在、高齢者の4人に1人は子宮脱というから驚きです。
だからこそ、若いうちから意識して紹介されているトレーニングをしたり、膣まわりのケアをすることをすすめています。
またアンダーヘアについて。
介護される立場、する立場、どちらに立っても「もしアンダーヘアがなかったら・・・」と想像することは難しくありません。
もし自分に介護が必要になると考えた場合、膣まわりのケアはマナーにもつながるのです。
タヌメモ
膣まわりは、からだの健康や精神バランスまでをも推し量るとても大事なバルメーターなのだそうです。
とはいえ、全てを今からすぐに取り入れて実践するのは、少し壁が高いかもしれません。
筆者の森田敦子さんは植物療法士です。
「自然ぐすり」つまり、身近な野菜や植物の力でからだや心の不調を予防・改善する具体例も書かれているので、出来るところから徐々に取り入れてみたらいいと思いましたし、実際に始めました。
自分のからだと心に改めて向き合うきっかけになる一冊です。
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