フランス西海岸サン・マロ湾に浮かぶ修道院、モンサンミッシェル。
ここの名物料理と言えば、メレンゲでふわふわのオムレツが有名ですが、ムール貝も有名ということは10年ぶりに訪れたフランス旅行で初めて知りました。
お皿にこれでもかと盛られたムール貝に圧倒されつつも、旨みのつまったムール貝は改めてムール貝の美味しさに気づかされます。
貝好きさんにはもちろん、ムール貝がそんなに美味しいのかと疑問に思われる方も、一度騙されたと思って食べてみてほしい一皿です。
モンサンミッシェル産ムール貝
潮の満ち引きが激しいことで知られるモンサンミッシェル。
そのモンサンミッシェル湾で育ったムール貝は、小ぶりでありながら旨みがぎゅっと凝縮されています。オレンジ色の身はなめらかで柔らかく、ムール貝のイメージを覆すかもしれません。
7月から2月がシーズンで、食べられる期間が限られているのも、なんだか特別に感じられます。
2006年にはA.O.C.(原産地統制呼称)を取得しています。
A.O.C.とは
美味しいムール貝をいただくためにチェックするポイントはA.O.C.認定されているものかどうか、です。
これはフランスのレストランで食べるときも、日本で輸入したものを食べるときも、同じ。
A.O.C.とは「Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」の略。
優れた農産物、酪農品をフランス政府が保障する制度で、つまりフランス政府お墨付きというわけです。
ワインやチーズなどに多くつけられている認証で、魚介類ではモンサンミッシェルのムール貝が初めて認定されました。最高品質のムール貝と言えます。
フレッシュ ムール貝 カンカル・サンブリユ産 (モンサンミッシェル湾)又はその他のヨーロッパ1.4kg 毎週土曜日入荷予定 |
レストラン紹介
私がムール貝のワイン蒸しをいただいたのは、Hôtel de La Digueというホテルのレストラン。
赤を基調とした看板やインテリアが目を引きます。
モンサンミッシェルは目と鼻の先。
道路反対側のレストランでは、真正面にモンサンミッシェルを眺めながら食事をとることもできます。
ホテル裏の河川敷はとても静かで静寂が広がっています。
そこから見た夕日と、夕日に照らされるモンサンミッシェル、燃えるような夕日が沈むと淡く染まる空、その空のどこかを飛ぶ鳥の声はどれもがとても美しく沁みて、今でも忘れられません。
タヌメモ
ムール貝といえば、パエリアやパスタに添えられている程度という印象。
それがメインで登場するなんてことは考えた事がなかったので、盛に盛られたムール貝の山が登場したときは、衝撃を受けました。
これまでの人生の一生分のムール貝が現れたかと・・・。
調理方法はワイン蒸し。
シンプルな調理方法ですが、だからこそムール貝の旨みを感じられます。
こんなにムール貝食べられない・・・と思いましたが、たくさんいただきました。ご馳走様でした。
話は逸れますが、フランスを訪れるのはちょうど10年ぶりでした。
モンサンミッシェルを訪れるのも10年ぶり。
歴史的な建造物ですし、それ自体はやはり10年前と変わらずに佇んでいましたが、変わったのは周りの環境。
モンサンミッシェルと陸を繋ぐ道はきれいに舗装工事がなされていました。
そして以前はモンサンミッシェルの直前まで観光バスで行けたのですが、現在では環境への配慮からモンサンミッシェルへ繋がる道に観光バスが入ることは禁止。代わりに電気で走るシャトルバスが運行されていていました。
エコバッグも日本よりずっと早く取り入れていたフランス。環境配慮への意識の高さが感じられました。
その日、宿泊したのはレストランに隣接するホテル。
先ほども登場したHôtel de La Digueです。
部屋に到着してまず確認するのは部屋のセキュリティと設備。
すると、ベランダの鍵がしまらないことがわかったのですが、ホテルスタッフ曰く、田舎で治安がいいから問題ないとの事。
たしかに日が暮れてしまうと真っ暗で、季節も1月ということで寒空の下、外に出ている人はみあたりません。観光地とはいえ、主に人が来るのは日中。なにか事件が起こるような場所ではないようです。
モンサンミッシェルは交通の便も良くないので、一生に一度訪れればいいと思っていたのですが、あの時の夕日はまた見たいと一年経った今でも思います。
もしかしたらまた訪れるのは10年後かもしれませんが、変わらずの治安の良さと、美しさを保っていることを願います。
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